2005年12月
<<Back

2005.12.20(Tue)

「凍華・狂い花」


狂い咲かせた桜の枝に
黒き鋼を添える

冬に冷たき鋼の薄刃
薄紅色を凍えさせ

儚き花片をその身に添わせ
氷の絆で縁を為す

花は鋼に囚われて
凍て付いたまま凛と咲く


焔の熱を宿すことなく
炎の熱に溶けることなく

狂い花は鋼に添う


例え過去が消えても
俺は貴方を忘れない



2005.12.22(Thu)

「」


月の欠け行く空
熱を無くしゆく風

俺の炎は花を狂い咲かせるが
狂い咲いた花は

熱失えばやがて枯れ
散り そして朽ちる


それと知って尚 手を伸ばす

指先に絡めた一枝
儚く開いた薄紅

癒すことなど出来はしないだろう


おそらく未練… 否…

今更と知りつつ 思うのだ


友として貴方と出会いたかったと



2005.12.28(Wed)

「」


この身は
俺が焔は触れ得る幻

幻こそが俺の現


その眸に幻が映るのなら
おそらくはそれが俺の真


すべては遅すぎる夢
叶うことを封じた夢


名残と未練
感謝と謝罪と

ただ

従属するものでなく
一つの存在として

愚かしくも 貴方の幸を
平穏を 安息を願う


何も出来なかった俺の
せめてもの


…否 それさえも
貴方は良い気味だと笑うのだろうか



2005.12.30(Fri)

「」


悔いることがあるとするなら

冬の終わり 桜の咲く頃
己の心と意志とを殺し
かの契約の破棄を願ったこと


今は それで良かったと
今だからそう思えるが


おそらく俺は己惚れていたのだろう
俺は甘えていたのだろう

引き留めてくれると


己を殺し 貴方を苦しめた

それだけが俺の悔恨だから今 せめてを願う

身勝手な己の為に。



2005.12.31(Sat)

「狂花・闇宴」


闇夜の桜 黒の夢
狂花の元で相見え
惑うて堕ちて契約す
金色隠した漆黒と

月無き宴に緋を添えて
廻り始める 唐紅
祈りも願いも幻と
闇夜に告げて 狂い咲く


月昇りゆき 華は散る
流せぬ涙と言の葉と
紡げぬ想いのその故に
砕けぬ仮面に訣別を

音無き宴に楽絶えて
焔はやがて雨に散る
尽きせぬ嘆きを糧として
満つ月の夜に 花は咲く


焔の名残 夢名残
桜狂わす 夜も名残
違えた路のその果てで
静かに笑むは 夢焔



<<Back