〜雪花〜

月夜に鳥の低く啼く
濡れて霞みて 響-こえ-緩やかに
真白き風花誘いて

遠く尾を引き 絹のごと
縁絡めて 錦為す


日向に鳥の高く啼く
途切れ紡げる 響-こえ-はかそけき
薄紅色の花と似る

舞いて漂う 花吹雪
甘く連ねて 夢のごと


まほろばの鳥遙か啼く
真白き風花淡く消え
薄紅色の花は散る

惑い廻りて 風に月
浮かべて詠う 雪桜




2004/03/24記

伽瑛殿へ捧げた詩。
テーマはお任せ、と言われたので…
「舞い散る桜・淡雪・小夜啼鳥(ナイチンゲエル)・縁」の四つをテーマに定めた。
本当は「枯山水」も入れたかったのだが…