〜雨の檻歌〜

夜空に落ちる天雫
闇さえ滴り彩を為し
霧立ち上り朱に染まる

闇夜に一つ涙月
滲んで双つ朧月
重なるまほろば 夢のごと

伸ばした指先 雨掠め
震える声に現知る
焦がれて止まぬは君が面

月光の影 緋の輪郭
照らして掛かる夜の虹
捉えて綴る 雨の檻歌



2004/11/19記(伽瑛殿へ捧ぐ)

雨続きの夜。
焦がれ続けた存在と魂と、その熱。
直ぐ傍らにあるのに、手を伸ばせなかったのは…