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今宵 馨増した
月の光浴びて
この手差し伸べる
夜の彼方へ

闇の先へ出ずる紅
炎のそれより尚赤く
血のそれより尚黒く
滴る色彩を喰らう

愛おしきはその姿
焦がれて恋うて手に入れて
この手の内で愛おしむ
包み込むがごとく


今宵 色増して
艶やかに笑む貴方
差し延べた腕捉え
囁く睦言

近しき魂 汝が面
己のそれより尚近く
己のそれより尚愛しい
零れる色彩を抱く

愛おしきはその魂
願うは深く 尚深く
途切れ別れて離れぬように
結ぶ命の糸 縁


愛おしきはその御霊
狂おしいほど狂うほど
奥の奥まで穿ちて後に
契ったままで朽ちようか

送るは焔 紅蓮の舞
黒と赤とを水面に鎮め
闇に抱いて融かして眠る
甘き月夜の夢 永久に



2004/11/27記

魂より魂へ贈答。
テーマは「心中」…某所で呟かれた一言にインスピレーションを得て。
月を見ながら書いた、らしい……

タイトル未定。好きなように名付けて貰えれば有り難い…