Zeal

何を望む この道の果て
何故に進む この道の上
幾つもの矢傷をその胸に刻み
幾筋もの刀傷をその腕に刻んで

何を願う この戦いの末
何をかき抱く その胸の内
割れた胸板 欠けた石突
その目の先に何を見る?

やがて静かに小雨の幕が
折れた旌旗と瓦礫を浸す
ぬかるむ大地 傾く身体
折れた刀を伝わる雨滴

何故に止まる この道の上
何を得られる この道の先

斬り落とさぬか 動かぬその腕
倒れ込まぬか 安らかなる大地へ
その胸貫けば全てが終わる
傍目に広がる安息の景色
それなのに

何を探す その視線の先に
何故掴みあげる 刃の欠けた斧
この道の果て 得られるものは虚空か虚無か
漂砂に埋まる珠玉の欠片か

焚きおこせ 焔の残滓
振り降ろせ 掲げたその槌

この道の果て 今は遠目に霞むとも
その果て求めて私が駆ける


柿永貴裄さまから、誕生日祝いとして頂いたものです。
「Zeal」とは、「熱心・熱中」といったような意味。
微妙に私の詩と似てますか? でも端々は結構違うと思いますよ。
ちなみにこの詩、私の書いた鳥の哀歌を元にしたものだそうです。
柿永さま、素晴らしい詩をありがとうございました。