2005年9月
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2005.9.2(Fri)

「」


多分 貴方
良い気味だと 嗤うだろうね

詐称された契約を捨てて
それよりも更に過去に縋り
そして結局 すべて捨てて

手に入れた筈のひとを
己の手で傷付けて 失って


貴方を傷付けずに済んだ
それが唯一の収穫かもしれない


別れの一言が どうしても言えなくて
思い出で気を紛らわす

心配せずとも もう直に
何も感じなくなるだろう


愚かしいのは
 誰でもなく 俺自身



2005.9.6(Tue)

「三日月の夢」


研ぎ澄まされた刃のような
鋭い月の翳る夜

薄れた意識と意志の影に
脈打つ記憶と君が面

紗掛かる世界を裂いて
鋭き月は鮮明に
現の世界を突きつける

灯した言霊 抱いた言の葉
崩れた夢とまほろばと
壊れかけた現の様を


貫く『痛み』に目を覚ます
掠れた視界に濡れた音

零れる吐息に ただ
己のそれを重ねた



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