2003年11月
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2003.11.4(Tue)

「」


己が身の限界など
とうに承知している

其は偽り

己さえ知らぬものを
人は己が内に潜ませる

結論付けるは終わるとき

未だ
焔は眠らない

眠れない



2003.11.6(Thu)

「」


ふと思った

戦役が終わり
黒き大地が戻ったとしても

俺が戻りたいと思うことは

もう 無いかもしれないと。


理由もなく。
切掛もなく。



2003.11.7(Fri)

「」


決着をつけると云うも
甚だ烏滸がましい

変わったのは俺か 世界か

流動が不変の証だと云うのなら
愚かなるは立ち止まった俺か

一人密かに呟く

さらば 現に生きるものよ。



2003.11.9(Sun)

「」

(焼失)



2003.11.10(Mon)

「昔唄」


連ね 重ねた言葉よりも
見交わす瞳の奥で語り
胸に抱いた感情よりも
君の想いを強く感じる

命すら越えて巡り逢い
巡り逢って再び別れ
時に憂い 時に望んで
幾度君と過ごしたろう

忘れないで 忘れないで
 囁く声はいつまでも
忘れない 忘れないよ
 夜闇彩る琥珀の月が
例え大地に墜ちようと

2003.11.12(Wed)

「無為矛盾」


逃れたいと思うもの
聞きたくないと逃れるもの

俺が望む世界はきっと
貴公等の望みと違うのだろう

どこまでも
どこまでも遠ざかる。

最早戻る気もない。
力になりたいと思うことはあれど
俺にもまた、望む世界が在る。

道を違えて。
尚。
密かに信じる生き方が。


「己が欲さぬ悪意は先ず人より祓い
 己が欲する善意は先ず人に与えよ」


偽善であろうとなかろうと。



2003.11.16(Sun)

「色は匂えど」


ささやかなるゆめのうち
よるふけてひとりさかずき

なつすぎてすずやかなかぜ
らせんにこのは まいちらせる

せわしなきけんそうと
かしましきよのながれ

いつのひかとおく
よみじのはてまで。



2003.11.17(Mon)

「響」


貴方の喜びが
貴方の安らぎが

その感情の
その感動のひとつひとつが

俺の喜びになると

陳腐な云い方は好きじゃないが
美辞麗句並べ立てたところで
それ以上の言葉はあるまい。


心をありがとう。



2003.11.19(Wed)

「アズラエル。」


唯 己の想う処に従う
己が直感する道を往く

然れど忘れる事勿れ
己は世界の内に在る

理を内含するは己に非ず
ただ理の内に己が在ると

その存在は すべては
調和の円輪を担う一端

往く道は何処へ続く
違えた道の往く末は


それでも世界は内含する



2003.11.20(Thu)

「」


目映き光から目を背け

迷っても出口は解らぬまま

傷付けることで傷付くを怖れてか

歩みは止まり。

悩んでも出口が解らぬなら

目映き光に目を向けて


そう。
俺らしく進めば良い。



2003.11.21(Fri)

「」


卑怯に為り切れぬ自分が恨めしい

憎悪と憤怒と
寂寥と

最早言葉さえ遠く


俺が見て居たいのは
傍に在りたいと思うのは

在るがまま己のまま
存在する
一個人だけ なのに。



2003.11.22(Sat)

「無想歌」


君の傷み絶望 恐怖も涙もすべて
 邪炎の糧となる 我が胸へ墜ちよ

その唇から漏れる 微かなる呟きさえ
 この心潤す 我が内へ朽ちよ

この想い解き放ち 忘却の河を往く
 面影さえ抱いて 我が闇に眠れ

届かぬ空仰ぎ 嘆きに身を委ねるより
 暗闇へ墜ちる 我が彩は絶えて

捨て着れぬ想い封じ
 我が夢よ 此処を去れ…



2003.11.24(Mon)

「炎よ、己が力で輝け」


忘れて居た。

己が身体に刻まれた、もう一つの過去
頸から背にかけて燃ゆる、黒き焔の証

身を裂く痛みと共に刻まれた
引き攣れた想いと記憶の在処

ふと思い出す。

唯一無二にして絶対であった
それでも理解し得ることの無かった

かつての主を
その言葉を。



2003.11.25(Tue)

「」


遠ざかった、気がする。
恐らくは、お互いに。

距離を置いたは
俺が己で手にした存在のためか

或いは、貴公の傍らに佇む粋に
敵わぬものを感じてか

出会いも交わりもそれぞれが唯一無二
代わりと云うて如何出来るものではない

けれど

自らの無力を思い知る

それでも

此処に在り続ける、のは きっと
せめて在る事だけでも、と

らしくもなく行動を躊躇う

喪失を恐れるがゆえ
喪失を恐れるほどに想うゆえ


…自嘲する。
何を悩んで居るのだ、俺は…



2003.11.26(Wed)

「」


己が道を己のみで定め
密かに絶ゆるも去るも
彼の人を悲しませる行為なれば

言霊は伝えよう
焔は変わらず此処にあると

その傍らの熱を大切に
俺など遠く及ばない


…貴公は
好き人に巡り逢われた

その熱をどうか大切に



2003.11.27(Thu)

「忌むべきもの」


負の感情を俺は厭う
他者を貶める言葉を
傷付ける言葉を

それが憎む相手でも
それが敵であろうとも

刃に刃で返すことは
出来れば最後の手段としたい

傷つく痛みを知るのなら
傷付ける痛みも覚える筈

そう願う


世界はすべてを内含する
一己が拒絶する忌むべきものも

己が世界を拒絶しても
それでも世界は内含する



2003.11.29(Sat)

「願」


屈することの無いように
挫けることの無いように

他が強要する破滅など
彼の國には始まりに過ぎぬと

迷うことの無いように
戸惑うことの無いように

どれほど蹂躙されたとしても
折れぬ心を見せつけてやれ


生琉里と呼ぶ彼の國へ
恋しき人の彼の國へ



2003.11.30(Sun)

「」


酔いに任せて書き留める。


唯。
唯…伝えたいのは。

感謝の言葉と。
詫びと、誓い。

この焔は貴公と共にあると。
…そう在ることを願うのだと。


邪推は無用。
なれど。

恋しきは一人。
愛おしきも、また一人。



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