2003年12月
<<Back | Next>>

2003.12.7(Sun)

「想」


大切なのは

共に在ることではなく
互いが在ること



2003.12.8(Mon)

「歌を」


歌を捧げる

もう一度もう一度
あの呪われし島へ

俺のものでなくても良い
必要なのは 共有するカタチ
等しく寄り添える何か

魔島に足りぬもの

それは大樹の幹

睦言のように呪文のように
繰り返し抱いて尽きせぬ

ことば


歌を 捧げる。



2003.12.9(Tue)

「化石の鳥」


ながいながい 時間のなかで
あおくあおく 染まる石

透かして 翼
澄ませば 銀河

刻み込まれた 羽の彩り
染みこむような 空の憧れ

伸ばせば 蒼穹
祈れば 天空

 …草稿。



2003.12.9(Tue)

「ふと気付く」


己が滞在するこの国へ
刃を向けるは己が生国

見知った友の振り上げる刃を
いつかは受けることになるのだろうか

それでも良いと思う

俺は己の道に在る
己の望んだ道に在る


それゆえの傷なら
誇りにもなろうさ



2003.12.10(Wed)

「審判」


一人の思いを受け取れぬ
心が痛まぬわけはない

焔はうつろうものなれば
心に惹かれぬことはなく
うつろわざるものゆえに
己が熱を頼りとし
己が頼りと依る者の
傍から離れることはなく


けれど


一時指先を掠め 焦し
痛みのみ残す緋色の気紛れ

残酷な一刹那の
焔の安らぎ

残るは静寂


…出会う時が違って居たら
俺は貴方を愛したかもしれない。

2003.12.11(Thu)

「渇望」


求めているのは

矢面に立ち
人を率いて
尽きることの無い意思で

剣を揮い盾を翳し
希望と憎悪の血を浴びて尚
己と国の敵へ刃向かう

強き意思の具現
或いは道化

求められているのは
人を集め動かす力
哀しき傀儡


―それは 英雄 と呼ばれる



2003.12.12(Fri)

「一言」


出会うたびに交わした言葉を
思い出すたび切なくなる

色を違えて結べぬ糸の
擦れ違うを惜しむのは

ただ ただその存在の
他に無きを思うゆえ

唯怖れる

輩と呼んだ貴公を失うを。


冷酷で残酷で
身勝手なほどに。



2003.12.13(Sat)

「青の化石」


遙かに続く 時間のなかで
果てなく青に 染まる石

透かして 時空
澄ませば 銀河

時を歩める 針のごとくに
刹那の瞬き 記憶にとどめ


刻み込まれた 時の彩り
染みこむような 空の憧れ

伸ばせば 蒼穹
祈れば 天空

刹那を封じた 玻璃のごとくに
永久の煌めき 青く震える



2003.12.15(Mon)

「以邪炎」


地に臥して動かぬ屍のごとく
凍土の物言わぬ岩のごとく

音もなく 動きもなく
唯静かに眠りたい

不条理に為される数々の事象に
気が狂いそうで


筆を取り上げ
穢れのない紙を目の前にし

いっそ詩に狂おうか
いっそ風に狂おうか

瓦解した世界を諦め
捨てられぬ己を哂い


隔離された狭き世界を憎む
己が憎悪に焦がれて揺れて

沈黙に沈む
祈るは終焉



2003.12.16(Tue)

「」


不思議なことに
安堵した

諦めないと
その言葉を聞いて。


まるで他人事のように
或いは己が事のように

安堵して嘆息する


折れることのない心を
挫けることのない心を

…嗚呼。

だから俺は
貴公を好ましく思うのだ。



2003.12.17(Wed)

「戒」


己が立場を顕かにせず
敵に交わり 内よりつき崩す

俺が己に望むのは
そうした生き方なのかも知れぬ


理想を見、進む友を見て
ふと疎外感を感じるのは

己が己を信じられぬ所為やも知れぬ


手段は問わず
義も粋も無く

あらゆるものを利用し
あらゆる策を講じ

色の無い言霊を紡ぐ
己が憎むその行為を

己が憎悪に負けて為さぬように


己と己に関わる者に願う。

信念を曲げること莫れ
己に囚われること莫れ
柔軟な思考を持つべし

己が信じる道を歩め



2003.12.18(Thu)

「」


何故だろう

己が支持し
己が政策を支え
己が保証人となって

彼の国の革命を
望む方向へ導く者が居ないのは


人は変わるものだ
変えられるものだ

何故はじめから否定する


そう思うのは
俺の甘さゆえか。



2003.12.19(Fri)

「精霊王 風」


『お行きなさい。
 そして、貴方の為すべきことをなさい。』

『たった一つのことでも良いから
 誇りの持てる生き方をなさい。』

『信じる道を歩め。
 ただ 真っ直ぐに。』

『さあ、大きく飛んでみなさい。
 この世界を、もっと自由に。
 君は、君らしく生きていい。』



2003.12.22(Mon)

「伝」


生きろ

生きろ

…生きて、くれ。


友と呼ぶものへ

親族と呼ぶものへ

そして何より

己へ



2003.12.23(Tue)

「訣別」


人の夢
人の理想

祈り

それらを利用する者を
俺は赦さない


らしくもなく 後悔 する

あの時
戴冠のあの時

矢張り剣を突き付けていれば良かったと。



2003.12.24(Wed)

「」


憤りを抑えられない

たとえそれが
成功へ導くための最善の策であろうと
現状に対する正当な行為であろうと
犠牲の上に為されたものであろうと

卑怯と知って尚留めぬ者
其を知って其を最善と信じる者
その行為を黙認する者

そんな輩を
俺は信用できない

義も信も期待できぬ国なら
いっそこの身と共に記憶から砕けてしまえ。



2003.12.25(Thu)

「一つ」


忘れていたことがあった

己の腕の先にあるもの
己の眼の先にあるもの


罪を負った天使の娘に思い出す

心を現す術を
国を為す術を


少し 考える時間が欲しい
冷静になれる時間が欲しい

憎悪と拒絶の紗を裂いて

事実を見れる時間が欲しい。



<<Back | Next>>